未来へ繋ぐ、禁断のタイムスリップ

黒幕を見つけるための芝居

麗と莉緒は向かい合い、互いに目で意思を確認する。

「莉緒、今日から少し芝居をしよう」
麗の声は低く、しかし決意に満ちていた。

莉緒は驚きながらもうなづく。
「芝居……ですか?」

「そうだ。黒幕は、俺たちの動揺を見ている。あえて平然としているふりをすれば、相手の正体を探れる」
麗の眼差しは鋭く、莉緒を見つめる。

莉緒は小さく息をつき、心の中で自分を落ち着ける。
(怖いけど……麗様と一緒なら……)

その夜、二人は普段通りの会話や仕草の中で、あえて小さな「ミス」や反応を見せる芝居を始めた。
手紙や物音に動揺するふりをして、あえて情報を漏らすような態度を取る。

麗も時折、冷静さを崩す演技を混ぜる。
「ふふ、莉緒……君は意外と怖がりだな」
莉緒は小さく笑い、あえて怯える素振りを見せる。

屋敷の影では、微かな物音――俊樹の視線が二人の芝居に引き寄せられる。
「なるほど……」
静かに呟く声…

麗は莉緒に耳打ちする。
「冷静にな、莉緒。あとは相手が自分から出てくるのを待つだけだ」
莉緒も深くうなづき、緊張と覚悟を胸に秘める。

二人の芝居は、静かに、しかし確実に黒幕の正体へと迫る――




< 27 / 36 >

この作品をシェア

pagetop