不運を呼び寄せる私ですが、あなたに恋をしてもいいですか?
「で、何してるの?」

「コンテストの概要をまとめようと思って」

「あぁ、この部屋のデザインだね。応募するの?」

「はい。チャレンジしようと思ってます」

「そっか…… 体調はどう?」

「大丈夫です。マックスパワーです!」

「マックスパワー⁈」

聡明な目をパチクリさせる絢人。そして、傍に歩み寄りると、大きな手を歩実の頭に添えた。

「根詰めすぎないように、頑張れ」

至近距離で見つめられた歩実は、ポーッと頬をピンク色に染めた。また心がキューッとなる。

まただ。そう思いながら、休憩室を出て行く絢人の背中を見つめる。そして、歩実はハッとした。

あの時だ! あの時と同じだ!

遠い日の記憶が急速に巻き戻される。テントが吹き飛ばされ、怪我をしたケンを見舞ったあの日の出来事が歩実の脳裏に浮かんだ。

「ケンくん……」

ぽつりと呟く歩実。

顔を思い出そうとしたが、モザイクがかかっているかのようだ。興信所を使ってまで探し出そうとしていたのに思い出せない。

彼は今どこにいるのだろう。何をしているのだろう。元気にしているだろうか。

今ならわかる。あの時の感情が恋だったのだということ。それが初恋だったのだということ。そして、絢人に対する感情が、あの時と同じだということも……

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