不運を呼び寄せる私ですが、あなたに恋をしてもいいですか?
すぐに救急車と警察車両が到着し、投げ出されたドライバーは搬送された。

騒然とする中、落ち着きを取り戻した歩実はゆっくりと絢人から離れる。

「すみません、取り乱してしまいました」

「大丈夫か?」

「はい。ありがとうございました」

「中で少し休もう」

絢人はホテルのロビーラウンジまで歩実をエスコートし、席に着いた。

「食事でもどうかと思ってたんだが、食欲、ないよな…… 」

歩実はコクンと頷いた。

「じゃあ、何か飲み物を頼もう。何がいい?」

「紅茶があれば……」

「カモミールティーでいいか?」

歩実が返事をすると、絢人はコーヒーとカモミールティーを注文した。

運ばれて来たカモミールティーを歩実はそっと口に運ぶ。フルーティーな甘い香りが交感神経を鎮め、じわりと身体中に広がった。そしてゆっくりと気持ちを穏やかにさせていった。

「顔色、良くなったな」

「はい、ありがとうございます」

そして歩実はフッと笑う。

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