不運を呼び寄せる私ですが、あなたに恋をしてもいいですか?
「やっぱり私は不運を呼んでしまいますね」

切ない表情を浮かべ、ぽつりと零した。

「それは違う。前にも言っただろう」

「でも……私、私の所為で昔……」

「ん?」

「怪我をさせてしまったことがあるんです。子どもの頃夏祭りで…… 私を庇って…… 私を庇ったりしなければ怪我をすることもなかった。私が近くにいなければ、事故に巻き込まれることはなかった。だから、私の所為です」

「本気でそう思ってるんだ?」

歩実はテーブルに置いたティーカップに視線を向けたまま、項垂れるように頷いた。

「その、君を庇って怪我をした本人が違うって言っても?」

「え?」

歩実は顔を上げ、絢人を見やる。

「君の所為じゃない。歩実ちゃんは何も悪くないよ」

歩実の目を真っ直ぐに見つめ、絢斗は柔らかく微笑んだ。そして立ち上がり、歩実の頭に手を乗せると優しく撫でた。

その表情と言動が歩実の遠い記憶と重なり、胸の奥から熱いものが急速に込み上げる。

「ケン、くん…… おにいちゃん……」

「そうだよ。俺がケンだ」

「で、ても、名前が……」

「そうだよな。疑問に思って当然だ」

絢人は席にゆっくりと腰を下ろし、乾いた笑みを浮かべた。
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