不運を呼び寄せる私ですが、あなたに恋をしてもいいですか?
とにかく立ち止まってはいられない。給付金支給も限度がある。就職先を見つけることが先決だ。けれど、なかなか上手くいかない。歩実は何社か正社員の採用試験に挑んだが全滅だった。
やはり自分は呪われているのではないかと、負の感情に襲われた。今回会社が倒産したのも、もしかしたら自分がいたからではないのか、などと歩実はネガティブ思考に苛まれてしまった。
子どもの頃から、歩実の周りでは不幸な出来事が起こることが多かった。一緒に遊んでいた友達がブランコから落下したり、祖父母宅に泊まりに行けば、祖父がアシナガバチに刺され入院したり、車で出かければタイヤがパンクしたり、家族旅行で飛行機に乗れば悪天候で目的地とは全く別の空港に降ろされたりと、挙げればきりがない。
中でも一番ショックだったのは、当時歩実は小学二年生。地元商店街の夏祭りに家族と参加していた時の出来事だ。突然の強風で露店のテントが吹き飛ばされ、宙に舞ったテントは歩実に向かって急降下。足がすくんで動けない歩実は、瞬時に目を瞑った。目を瞑ったその直後の記憶はない。
しばらくすると、朦朧とした意識の中、人々の悲鳴が耳に届いた。
「子どもが下敷きになってるぞ!」
「誰か、救急車!」
「早くテントをどけろ!」
大人たちの怒号が飛び交う中、歩実は背中に誰かの体温を感じながら、そのまま意識を失った。
やはり自分は呪われているのではないかと、負の感情に襲われた。今回会社が倒産したのも、もしかしたら自分がいたからではないのか、などと歩実はネガティブ思考に苛まれてしまった。
子どもの頃から、歩実の周りでは不幸な出来事が起こることが多かった。一緒に遊んでいた友達がブランコから落下したり、祖父母宅に泊まりに行けば、祖父がアシナガバチに刺され入院したり、車で出かければタイヤがパンクしたり、家族旅行で飛行機に乗れば悪天候で目的地とは全く別の空港に降ろされたりと、挙げればきりがない。
中でも一番ショックだったのは、当時歩実は小学二年生。地元商店街の夏祭りに家族と参加していた時の出来事だ。突然の強風で露店のテントが吹き飛ばされ、宙に舞ったテントは歩実に向かって急降下。足がすくんで動けない歩実は、瞬時に目を瞑った。目を瞑ったその直後の記憶はない。
しばらくすると、朦朧とした意識の中、人々の悲鳴が耳に届いた。
「子どもが下敷きになってるぞ!」
「誰か、救急車!」
「早くテントをどけろ!」
大人たちの怒号が飛び交う中、歩実は背中に誰かの体温を感じながら、そのまま意識を失った。