手を握ってくれたあなたともう一度

「なんだ、これは・・・」

ゼス、サザネがリアラの元へ辿り着いたとき、
辺り一面、黒い霧に覆われていた。

残りの2体の妖怪がリアラに襲い掛かっているが黒い霧に邪魔をされて近付けていない。
妖怪たちも恐らくあの霧に触れたらいけないということを理解したのだろう。

「サザネ、俺がリアラの動きをとめる。
その時に妖怪たちを頼む」

「了解」

サザネは岩の陰に隠れタイミングを待つ。
ゼスはリアラに気付かれないようにゆっくり近付き、魔法を発動。

「っ!?」

魔法を発動しているのにリアラに効いている様子はなかった。
動きを封じ込めたい人の存在を肌で感じ念じることで発動するゼスの魔法。
それが効かない。

「それなら」

あえてリアラの視界に入るように飛び出す。

「ゼスッ」

「今助けてやる」

リアラの目をしっかり見て魔法を発動させるが

「っ!?なぜ効かない」

効果をまるで感じなかった。
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