長すぎた春に、別れを告げたら
「私を?」

「はい。昨日の夜、その後どうかとメッセージを送ったんですが既読にならないので、なにかあったのかと」

慌ててリュックからスマートフォンを取り出した。メッセージアプリを開くも、相良さんからのメッセージは届いていない。

「受信していないみたいです。実はスマートフォンの調子が悪くて、今日これから買い替えに行くところでした」

「そうだったんですか」

もしかすると治久から連絡が来ていないと思っていたのも、単に受信していないだけなのかもしれない。

「わざわざオフィスまで来ていただきすみませんでした」

まさか私を気にかけてくれるとは思ってもみなかった。

彼は近くの顧問先で仕事を終えた帰りだという。

「それで、その後どうですか?」

問われてとっさに口ごもった。

治久から【萌歌と話したい】、【もう一度チャンスがほしい】――あの日と同じ言葉をメッセージで繰り返されている。既読無視をしても無駄だった。

でもそれを相良さんに伝えては心配をかけてしまう。

「……大丈夫です! 相良さんのおかげで納得してくれたみたいです」

にこっと微笑むも、相良さんは表情を変えない。きれいな目に心の中を見透かされそうでドキドキした。

「そうですか」

「はい」
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