長すぎた春に、別れを告げたら
「浜名さん」

名前を呼ばれて顔を上げると、私のマンションの前に相良さんがいた。

「え……」

どうして彼がここに?

車で駆けつけ、私よりも早く着いていたようだ。

「もしかして浜名さん、誤解していませんか?」

相良さんに率直に問いかけられた。

「誤解……?」

「前に彼女はいないと言ったので、まさかと思ったんですが」

話の流れが掴めなくて首をかしげる。

「さとみは妹です」

「妹さん?」

「そうです」

相良さんは四人きょうだいで、弟がふたりと妹がひとりいるのだそうだ。

深い仲に見えたのも、実家に連れて帰ったというのも、なにもかもが一気につながる。

私はとんだ勘違いをして、衝動的な行動を取ってしまったのだ。

「すみません、私」

「本当は俺に彼女がいたんだと、ヤキモチを焼いたんですか?」

「ち、ちが……」

しどろもどろになっていると、強引に抱きしめられた。

「さ、相良さんっ……?」

彼の腕の中で慌てふためく。思考が停止し、いったいなにが起こっているのかわからなかった。

「嘘つきだと思われたのは心外だけど、それ以上にかわいい」

「なに言って……」
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