長すぎた春に、別れを告げたら
昨日の雨は今朝まで続いた。
ビルのエントランスで会った彼は、傘を使ってくれただろうか。再びエントランスに戻ったときには姿がなかったのでわからないままだ。
それにしても、私が見ず知らずの男性に話しかけるなんて、自分でもびっくりする行動だった。
希帆さんや雫ちゃんはコミュニケーション能力が高いけれど、私は社交的な性格ではない。
昨日の彼はそこに立っているだけで絵になる人で、不思議な引力のようなものを感じた。
「浜名さん! 昨日相良さんと一緒にいるところを見かけましたよ! 彼とどういう関係なんですかっ?」
オフィスに出勤すると、受付の三ノ宮さんが走ってきた。
あまりにも声が大きかったので、希帆さんや雫ちゃんも反応する。
「えっ、萌歌、なにそれ」
「萌歌さん、どういうことですか」
状況が理解できず、困惑した。
私は昨日三十分残業して、雨の中最寄り駅にある大型書店に行き、ひとり暮らしをしているマンションに帰っただけだ。
「昨日六時くらいに、ビルのエントランスで相良さんと話してたでしょう?」
「……えっ。あの人が相良さんなんですか?」
ビルのエントランスで会った彼は、傘を使ってくれただろうか。再びエントランスに戻ったときには姿がなかったのでわからないままだ。
それにしても、私が見ず知らずの男性に話しかけるなんて、自分でもびっくりする行動だった。
希帆さんや雫ちゃんはコミュニケーション能力が高いけれど、私は社交的な性格ではない。
昨日の彼はそこに立っているだけで絵になる人で、不思議な引力のようなものを感じた。
「浜名さん! 昨日相良さんと一緒にいるところを見かけましたよ! 彼とどういう関係なんですかっ?」
オフィスに出勤すると、受付の三ノ宮さんが走ってきた。
あまりにも声が大きかったので、希帆さんや雫ちゃんも反応する。
「えっ、萌歌、なにそれ」
「萌歌さん、どういうことですか」
状況が理解できず、困惑した。
私は昨日三十分残業して、雨の中最寄り駅にある大型書店に行き、ひとり暮らしをしているマンションに帰っただけだ。
「昨日六時くらいに、ビルのエントランスで相良さんと話してたでしょう?」
「……えっ。あの人が相良さんなんですか?」