皆に優しい幸崎さんは、今日も「じゃない方」の私に優しい
幸崎優吾さん。
同じ営業部の先輩で、新入社員の私の教育係でもある五歳年上の彼は、誰もが認める「できる男」だ。彼にかかれば、どんな難題もスマートに解決されると専らな評判で、皆が幸崎さんに一目置いている。
「幸崎さん、この間のプレゼン、大成功だったらしいですね!」
「ああ、うん。みんなが頑張ってくれたからだよ。どうもありがとう」
輝かしい業績を次々と挙げる彼の周りには、常に人の輪ができていた。
「幸崎さんってさ、本当にすごいよな。この間、俺も煮詰まってた企画アイデアの相談に乗ってもらったんだ。そしたら、するするって解決策が見えてきてさ」
「仕事ができて優しくて、しかもイケメンなんて、幸崎さんは完璧だよな」
社内ではいつも彼の話題で持ちきりだ。
感心したような口ぶりに、「うんうん、そうだよね」と聞き耳を立てる私も一人相槌を打つ。彼の完璧さには私も深く同意をするしかない。
「この間佐々木が発注間違えてやらかしただろ?あれも結局、幸崎さんが取引先に直接出向いてフォローしてくれたんだぜ」
「で、当の佐々木には『俺も確認不足だった。お互いこれから注意しような』って声かけてさ。普通なら佐々木にぶちギレするところだと思うのにな」
「佐々木なんて感激して『一生幸崎さんについていきます!』とか言ってたもんな。普通忙しい時は後輩のフォローまで気が回らないってのに、ほんと幸崎さんは人格者だよな」
そう、幸崎さんは誰にでも優しい。そしてその「誰にでも優しい」中に、私のような存在も含まれる。
私のような――「じゃない方の佐倉」に対しても。
同じ営業部の先輩で、新入社員の私の教育係でもある五歳年上の彼は、誰もが認める「できる男」だ。彼にかかれば、どんな難題もスマートに解決されると専らな評判で、皆が幸崎さんに一目置いている。
「幸崎さん、この間のプレゼン、大成功だったらしいですね!」
「ああ、うん。みんなが頑張ってくれたからだよ。どうもありがとう」
輝かしい業績を次々と挙げる彼の周りには、常に人の輪ができていた。
「幸崎さんってさ、本当にすごいよな。この間、俺も煮詰まってた企画アイデアの相談に乗ってもらったんだ。そしたら、するするって解決策が見えてきてさ」
「仕事ができて優しくて、しかもイケメンなんて、幸崎さんは完璧だよな」
社内ではいつも彼の話題で持ちきりだ。
感心したような口ぶりに、「うんうん、そうだよね」と聞き耳を立てる私も一人相槌を打つ。彼の完璧さには私も深く同意をするしかない。
「この間佐々木が発注間違えてやらかしただろ?あれも結局、幸崎さんが取引先に直接出向いてフォローしてくれたんだぜ」
「で、当の佐々木には『俺も確認不足だった。お互いこれから注意しような』って声かけてさ。普通なら佐々木にぶちギレするところだと思うのにな」
「佐々木なんて感激して『一生幸崎さんについていきます!』とか言ってたもんな。普通忙しい時は後輩のフォローまで気が回らないってのに、ほんと幸崎さんは人格者だよな」
そう、幸崎さんは誰にでも優しい。そしてその「誰にでも優しい」中に、私のような存在も含まれる。
私のような――「じゃない方の佐倉」に対しても。