皆に優しい幸崎さんは、今日も「じゃない方」の私に優しい
達成感と独占欲
翌日、幸崎さんは出張で不在だった。私は比較的のんびりと作業を進めていたが、その心の中には、昨日の彼の言葉が何度もこだましていた。
(『それって俺のこと、好きだから?』……とかって)
「なんてね」と付け加えられた言葉だったが、からかわれただけと割り切るには、彼の表情はあまりにも真剣に見えた。あれは一体どういう事だったのだろう。
もしかして、ううん、だけど。
考えてはまさかと打ち消して、そんなことを繰り返していると、隣のチームの佐々木さんが声をかけてきた。
「佐倉さん、ちょっと急ぎの仕事お願いしたいけどいいかな?」
「はい、大丈夫です!」
私が返事をするやいなや、佐々木さんはモニターを覗き込み、矢継ぎ早に説明を始めた。
「この専用見積ソフトを使って作業して!それとこれを参考にして条件書もね。今日の15時に提出しないといけないやつだから、よろしく!」
資料を乱雑に置いたきり、そのまま彼は慌ただしくどこかへ行ってしまった。指示されたアイコンは、何度か使った程度の使い慣れないソフトだった。時刻は13時を過ぎている。残された時間はあとわずか。私は焦りながらも、自作のマニュアルを引っ張り出して、必死に作業に取りかかった。
いつも心掛けている「丁寧な資料」を作る余裕はない。それでも、できる限り迅速に、正確さを心掛けて作業を終えた。
(『それって俺のこと、好きだから?』……とかって)
「なんてね」と付け加えられた言葉だったが、からかわれただけと割り切るには、彼の表情はあまりにも真剣に見えた。あれは一体どういう事だったのだろう。
もしかして、ううん、だけど。
考えてはまさかと打ち消して、そんなことを繰り返していると、隣のチームの佐々木さんが声をかけてきた。
「佐倉さん、ちょっと急ぎの仕事お願いしたいけどいいかな?」
「はい、大丈夫です!」
私が返事をするやいなや、佐々木さんはモニターを覗き込み、矢継ぎ早に説明を始めた。
「この専用見積ソフトを使って作業して!それとこれを参考にして条件書もね。今日の15時に提出しないといけないやつだから、よろしく!」
資料を乱雑に置いたきり、そのまま彼は慌ただしくどこかへ行ってしまった。指示されたアイコンは、何度か使った程度の使い慣れないソフトだった。時刻は13時を過ぎている。残された時間はあとわずか。私は焦りながらも、自作のマニュアルを引っ張り出して、必死に作業に取りかかった。
いつも心掛けている「丁寧な資料」を作る余裕はない。それでも、できる限り迅速に、正確さを心掛けて作業を終えた。