皆に優しい幸崎さんは、今日も「じゃない方」の私に優しい
「……相応しい人って例えば誰?橘さんとか?」
「――――っ!」
反論されると思わなかったのだろう。橘さくらは驚いた様に目を見開いた。
「釣り合わないかどうかは、私たち二人が決めることだよ。橘さんにどうこう言われる筋合いはないと思う」
「――何よその態度!あんたなんて『じゃない方』のくせに!」
「私は『じゃない方』なんかじゃない。――私は私。佐倉美和って存在だよ」
「はぁ?いちいち突っかかってきて何なのよあんた。本当に邪魔でイライラする!!『じゃない方』はそれらしく、陰で引っ込んでなさいよ――」
怒鳴り散らす橘さくらの言葉を遮るように、非常階段の扉が開く音がした。
視線を向けると扉の向こうに立っていたのは、幸崎さんだった。彼は、真っ直ぐに私を見つめ、安堵したように微笑んだ。
「佐倉さん、こんなところで何してるんだい?中々戻ってこないから探したんだよ」
そして、次にその視線を橘さんへ向けた。けれど瞳には先程とは全く違う、冷たく鋭い光を宿していた。
「で、橘さん。佐倉さんに、何の用事だったの?」
幸崎さんの感情の読めない低い声に、橘さんは慌てだした。
「――――っ!」
反論されると思わなかったのだろう。橘さくらは驚いた様に目を見開いた。
「釣り合わないかどうかは、私たち二人が決めることだよ。橘さんにどうこう言われる筋合いはないと思う」
「――何よその態度!あんたなんて『じゃない方』のくせに!」
「私は『じゃない方』なんかじゃない。――私は私。佐倉美和って存在だよ」
「はぁ?いちいち突っかかってきて何なのよあんた。本当に邪魔でイライラする!!『じゃない方』はそれらしく、陰で引っ込んでなさいよ――」
怒鳴り散らす橘さくらの言葉を遮るように、非常階段の扉が開く音がした。
視線を向けると扉の向こうに立っていたのは、幸崎さんだった。彼は、真っ直ぐに私を見つめ、安堵したように微笑んだ。
「佐倉さん、こんなところで何してるんだい?中々戻ってこないから探したんだよ」
そして、次にその視線を橘さんへ向けた。けれど瞳には先程とは全く違う、冷たく鋭い光を宿していた。
「で、橘さん。佐倉さんに、何の用事だったの?」
幸崎さんの感情の読めない低い声に、橘さんは慌てだした。