私だって守られてばかりじゃありません!
あっという間に時間が過ぎて帰りのSHL(ショートホームルーム)の時間。

「授業初日おつかれさま〜!どうでしたか?明後日からは本格的に6時間授業になります。頑張っていきましょ〜!では、あいさつを評議さんお願いします!」

「起立。
 気をつけ。
   礼」


「「「「「「さようなら!」」」」」」

クラスの人がぞろぞろと教室から出ていく。
突然廊下がザワザワし始めた。

「どうしたんだろうね」
と、ゆうちゃんと話していた時のこと。


「杉野 天音さん、いませんか?」

…え?
どうして教室の前に生徒会長がいるの?
そして私の名前を呼んでいるの?

「は、はいっ。なんでしょうか」

「ちょっとついてきてほしいんだ」

…なんで?
なにかやらかしたっけ?
記憶の範囲では何もやらかしてない、はず。

「あまねっち、大丈夫?」

「…うん。ゆうちゃん、先に帰ってもらっててもいい?」

「わかった!また明日ね〜!」

「また明日!」
  

「じゃあ、ついてきてくれる?」

「はい。でも私、なにかやらかしましたっけ?」
歩きながら、そう言った。

すると、隣からふはっという笑い声が聞こえた。

「ううん。なにもやらかしてないよ。おもしろいね、天音ちゃん」

…天音ちゃん?
今そう言った?

「あぁ、ごめん。つい、いつもの癖で。嫌だった?」

ちゃん付けのことかな…?

「い、いえっ。本来会長が先輩なのでむしろ私が敬語をつかわないとっていうか…」

「本当、おもしろいね。」

おもしろい?私が?
今まで一回も言われたことないよ?

「ポカンってしてる。可愛いね」

可愛い?私が?嘘だ。
学園全員の女子を集めても最下位だと思うけど…?

「ふふっ。僕のことはれいって呼んで」

じゃあせめて…
「零先輩でお願いします」

「まぁ、今はいいか」

どういうこと?

「着いたよ」
そう考えたとき零先輩がそういった。
ここは…生徒、会室?
「ここって…生徒か」

「うん。生徒会室」
言い切るより前にそう言った。

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