東雲家の御曹司は、わさびちゃんと新婚蜜月中
先程の山葵の聞き捨てならない言葉を払拭するように、紀糸は浴室で彼女にたっぷりと若さをアピールした。
二人の金曜日の入浴時は、大体いつもこんな感じ。
入浴を済ませた後、紀糸は若干無理をさせた愛する妻の髪を、ドライヤーの強風で乾かす。これもいつものこと。
「あ、言うのを忘れていました。明日、キラくん達が来るんでした」
「……なんだって?」
紀糸はカチッとドライヤーを切り、続いて山葵のもじゃもじゃになった髪に櫛を通していく。もはや手慣れたものだ。
「ひよ子さんが社員旅行でいないからと、自分も仕事も兼ねて双子を連れて遊びに来るそうです」
「……なんだそれは。つまりわさびは明日仕事なのか?」
「そうなりますね」
「……」
新居で愛する妻と過ごす時間を楽しみに、月曜から金曜まで仕事を頑張っている紀糸にとって、それは事前に知らせて欲しい案件だった。
「わさび、今夜はお仕置きプレイだ」
「紀糸もこりませんね。また返り討ちにしてやりますよ」
この二人は、今もまだこんな感じ。