街角の契りは、永遠の愛に
窓の外の街灯が遠ざかり、胸の鼓動だけが耳に響いた。

やがて馬車は静かに止まり、私は逃げ場を失った子鹿のように身を固める。

運命の夜が、いま始まろうとしていた。

そして馬車は町外れの野原に停まった。

「……ここでいいか。」

低く問われ、声が出なかった。必死に喉を動かし、ただ小さく頷く。

「服は脱げるか?」

その一言に、体がびくりと震える。

もう逃げられない――そう覚悟した私は、震える手で衣服の紐に指を掛けた。

だが、胸元を半ばまで下ろしたところで、どうしても続けられなかった。手が固まり、涙が滲む。

「……もしかして。初めてって――男を受け入れるのが、初めてなのか。」

鋭い眼差しに射抜かれ、息が止まりそうになる。

「い、いえ……」

必死に首を振った。娼婦なのに“初めて”などと言えば、きっと断られる。金も、薬も、手に入らなくなってしまう。

「正直に言って欲しい。」
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