街角の契りは、永遠の愛に
もう居ても立ってもいられない。肩が小刻みに震え、涙が頬を伝う。

「……本当は……初めてなんです。」

言葉にした途端、羞恥と恐怖が胸を締めつけ、目を伏せた。

その沈黙を破ったのは、思いもよらぬ彼の一言だった。

「ここではない方がいいな。」

低く呟くと、御者が手綱を鳴らし、馬車は再び走り出した。街灯が遠のき、夜の静けさが迫る。

「ここは……?」

止まった場所を見て、思わず問いかける。

「俺の職場だ。」

そう言って彼は扉を開け、私を促した。

慌てて着崩れた服を直し、震える足で馬車を降りる。

立派な石造りの建物が目の前にそびえ、私は飲み込まれるような気分になった。

中へ入ると、広間の奥に扉があり、その向こうに簡素な寝室があった。

「夜通しの仕事もあるんでね。ベッドも置いているんだ。」

淡々とした説明に、胸が苦しくなる。ここで、私の“初めて”が奪われるのだ。
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