この恋、予定外すぎて困ってます
大智の言葉が、頭の中で何度も反響する。
確かに、涼ちゃんとは血の繋がりなんてない。
“妹だから”って自分に言い聞かせてたのは、ただのブレーキだったのかもしれない。
そのブレーキが、今、壊れた気がした。
「水着を見て邪な考えがよぎるのはしょーがない。男だからな」
大智がさらっと言う。
「大智お前…」
思わず声が漏れる。
大智は、俺と違って女遊びなんて一切しない。
真面目で、誠実で、余計なことは言わない。
だからこそ、涼ちゃんにはこういうやつが合ってるんだろうなって思う。
……また、過去の自分を思い出して、後悔する。
軽い気持ちで付き合った。
本気になれなかった自分。
涼ちゃんの前では、そんな自分がすごくちっぽけに見える。
「それで晴人は、柴崎さんのこと好きなの?」
大智の声が、静かに響く。
答えられずにバレーをしている涼ちゃんを見る。
笑ってる。楽しそうに、花ちゃんとボールを追いかけてる。