この恋、予定外すぎて困ってます
「好きかは分かんないけど…普通に女の子として見てる」
心の中に溜まってた言葉が、ぽつぽつとこぼれていく。
最初に涼ちゃんを見たとき、ただ綺麗な子だなって思った。
俺に一切興味を示さないその態度に、妙に惹かれた。
クールな子なのかなって思ってた。
でも、一緒に暮らしていくうちに壁があるって気づいた。
誰にも簡単に心を開かない。
それでも、少しずつその壁が薄くなっていくのが分かった。
嬉しかった。
俺の言葉に、涼ちゃんがちゃんと反応してくれるのが。
でも―― あの事件が起きて、全部が止まった気がした。
過去のことを話したとき、涼は俺のことを嫌いになってくれると思ってた。
そうしてくれたら、もう迷惑をかけずに済むって。
でも、涼ちゃんは俺を嫌いになってくれなかった。
むしろ、前よりも優しくなった気がする。
どうしよう。
最近の涼ちゃんが、可愛くて仕方がない。
笑った顔も、怒った顔も、ふてくされた声も。