4人の兄に溺愛されすぎて困ってます!?

愛の告白

穏やかな日常はあっという間に過ぎ去り、冬休みが始まる終業式の日に突入していた。



「コマリちゃん!今日の放課後、暇?」




「うん、暇だよ」




「じゃあ、また後で」



始業のチャイムが鳴り、クラスメイトのみんなが席に着く。
男友達のショウくんと別れた後、ホームルームが始まった。



放課後、席で待っているとショウくんが話しかけて来る。



「お待たせ、ちょっとだけこっち来て」



と、言われ席を立つと人通りの少ない旧校舎に連れて来られ…



「どうしたの?」



「あのさ…僕、コマリちゃんのことが好きなんだ!僕と付き合って欲しい!」




愛の告白をされた。




人生で初めての経験で何と言ったら良いのか分からなくなる。




「あの…えっと、告白されたの初めてだから、なんて言ったら良いのか分からないんだけど、気持ちは嬉しい、ありがとう。でも、自分の気持ちがよく分からないんだ…」




「だったら、お試しで良いから僕と…」




「「「コーマリッ!♡」」」」




突然、後ろから兄達の声が聞こえる。




「ひゃ…っ!」




びっくりしてよろける私をハルキお兄ちゃんは受け止めて、ショウくんに向かって爽やかな笑顔で挨拶をした。


「あ、こんにちは。お取り込み中だったかな?ごめんね」


「…い、いえ!じ、じゃあコマリちゃん、冬休み明けに返事聞かせてね!じゃあね!」



ショウくんが逃げるように帰ると、お兄ちゃん達は何事もなかったかのように歩き出す。



「コマリ、さっきの彼とはどういう関係なのか聞かせてくれるかい?」



ハルキお兄ちゃんの問いに他の兄弟達も聞き耳を立てる。



「友達だよ?クラスメイトなの」



「そっか、じゃあ…コマリこれあげる」



ハルキお兄ちゃんが赤いリボンのチョーカーを私の首に装着する。



「これは?」



「僕の可愛いコマリにこれ以上変な虫を寄せ付けさせない為さ」



「…んだと?今、俺様を虫扱いしやがったよな?ハルキ!」



「おやフユトは相変わらず血の気が多くて見ていて鬱陶しいよ。目障りだ」



「俺様もお前のそういう態度が大っ嫌いだ!」



いつも通りのやり取りを聞き流し、私はそのまま兄達を放置して歩き始める。



それに気付いアキトとナツキが後を追いかけて来る。



「…ねぇ、コマリ。悩んでることがあったら僕に相談してね?僕が解決してあげるから!」



「うん、ありがとう」
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