ハイスペ男子達の溺愛が止まりません!
2,前途多難?
私のクラスは……あった、ここだ!
『Sクラス』と書かれた文字を目にして、立ち止まる。
入学式を無事に終えた私は、自分のクラスへと向かっていた。
地図を見ながら辿り着いたのは建物の1番奥にある一際大きな扉。
他の教室とは明らかに違うその装飾を目にして、早くも帰りたいという気持ちが強くなる。
だけどすぐにハッとして首を振った。
いやいや、せっかく特Sに選ばれたんだから、ここで帰ってどうする私。
なんとか自分を奮い立たせて、扉へと手をかけた。
「あれ、君はさっきの……」
「……!?」
ちょうどその瞬間、後ろから声をかけられた私はびっくりして声にならない悲鳴をあげて後ずさる。
緊張しすぎて気づかなかった……。
「ごめんごめん、驚かせちゃったかな?」
人の良さそうな笑顔を浮かべながら謝る好青年なその男の子に「私もぼぉっとしてたので……」とフォローにならない言葉を入れた。
「君もこのクラスだったんだ。俺は緑川(みどりかわ) 春翔(はると)。これからよろしくね。」
爽やかな笑顔と共に手を差し出されて、パチパチと瞬きを繰り返してしまった。
えっ、同じクラス……?
私の疑問はどうやら当たっていたようで、特Sと書かれた文字入りのバッジを目にし、観念して手を握り返した。
「白雪(しらゆき) 日菜(ひな)です。こちらこそ、よろしくお願いします。」
あはは……と多分上手く笑えていないながらに握手をすると、好青年もとい緑川くんの瞳が鋭くなる。
まさか同じクラスだったなんて……。
だけど私はその視線に気づかなかった。
だってこれからどうしようかということに思考を巡らしていたから。
「おい、先行くなって……って、あれ、その子は?」
「あぁ、同じクラスの白雪 日菜さん。白雪さん、こっちは赤羽(あかば) 新(あらた)。俺の幼馴染だよ。」
現れた赤髪の活発そうな男の子に緑川くんは私を紹介してくれる。
そっか、2人は幼馴染なんだ。
それでさっきも一緒に登校して……って、ん?
ちょっと待って、さっきいたのは確か5人だから……
「目的地は一緒なんだからわざわざ先に行く必要なんてありませんよね?」
青い髪にいかにも知的そうな雰囲気を纏った男の子が、低く淡々とした声で緑川くんに話しかける。
「もー、はるちゃんってば、いつもはそんなことないのに。」
桃色の緩くカーブした髪をふわふわさせて、可愛らしい美少年が頬を膨らませながら緑川くんの袖を握る。
「……好きにさせたら?」
オレンジ色の夕日にも似たストレートの髪をサラリと落としながら、興味のなさそうな声で話す男の子。
どうやら私の嫌な予感は的中していたようで、皆がみんな、見たことのある顔ぶれだった。
入学式の前に女子に騒がれてた5人組……!
ここにいるってことは……。
私は全員の胸元で輝いているバッジを目にして落胆してしまう。
なんと、全員同じクラスだったのだ。
こんな目立つ人たちと同じクラス。しかもみんな特Sだなんて……。
どうやら私の「目立たない様に過ごす」という密かな目標は達成難易度が跳ね上がりそうです。
『Sクラス』と書かれた文字を目にして、立ち止まる。
入学式を無事に終えた私は、自分のクラスへと向かっていた。
地図を見ながら辿り着いたのは建物の1番奥にある一際大きな扉。
他の教室とは明らかに違うその装飾を目にして、早くも帰りたいという気持ちが強くなる。
だけどすぐにハッとして首を振った。
いやいや、せっかく特Sに選ばれたんだから、ここで帰ってどうする私。
なんとか自分を奮い立たせて、扉へと手をかけた。
「あれ、君はさっきの……」
「……!?」
ちょうどその瞬間、後ろから声をかけられた私はびっくりして声にならない悲鳴をあげて後ずさる。
緊張しすぎて気づかなかった……。
「ごめんごめん、驚かせちゃったかな?」
人の良さそうな笑顔を浮かべながら謝る好青年なその男の子に「私もぼぉっとしてたので……」とフォローにならない言葉を入れた。
「君もこのクラスだったんだ。俺は緑川(みどりかわ) 春翔(はると)。これからよろしくね。」
爽やかな笑顔と共に手を差し出されて、パチパチと瞬きを繰り返してしまった。
えっ、同じクラス……?
私の疑問はどうやら当たっていたようで、特Sと書かれた文字入りのバッジを目にし、観念して手を握り返した。
「白雪(しらゆき) 日菜(ひな)です。こちらこそ、よろしくお願いします。」
あはは……と多分上手く笑えていないながらに握手をすると、好青年もとい緑川くんの瞳が鋭くなる。
まさか同じクラスだったなんて……。
だけど私はその視線に気づかなかった。
だってこれからどうしようかということに思考を巡らしていたから。
「おい、先行くなって……って、あれ、その子は?」
「あぁ、同じクラスの白雪 日菜さん。白雪さん、こっちは赤羽(あかば) 新(あらた)。俺の幼馴染だよ。」
現れた赤髪の活発そうな男の子に緑川くんは私を紹介してくれる。
そっか、2人は幼馴染なんだ。
それでさっきも一緒に登校して……って、ん?
ちょっと待って、さっきいたのは確か5人だから……
「目的地は一緒なんだからわざわざ先に行く必要なんてありませんよね?」
青い髪にいかにも知的そうな雰囲気を纏った男の子が、低く淡々とした声で緑川くんに話しかける。
「もー、はるちゃんってば、いつもはそんなことないのに。」
桃色の緩くカーブした髪をふわふわさせて、可愛らしい美少年が頬を膨らませながら緑川くんの袖を握る。
「……好きにさせたら?」
オレンジ色の夕日にも似たストレートの髪をサラリと落としながら、興味のなさそうな声で話す男の子。
どうやら私の嫌な予感は的中していたようで、皆がみんな、見たことのある顔ぶれだった。
入学式の前に女子に騒がれてた5人組……!
ここにいるってことは……。
私は全員の胸元で輝いているバッジを目にして落胆してしまう。
なんと、全員同じクラスだったのだ。
こんな目立つ人たちと同じクラス。しかもみんな特Sだなんて……。
どうやら私の「目立たない様に過ごす」という密かな目標は達成難易度が跳ね上がりそうです。