社長、社内恋愛は禁止のはずですが
「そこの君たち。」

「えっ⁉ 直哉さん⁉」

振り向いたのは、さっき挨拶に来たご令嬢たち。口元に驚きを浮かべている。

「俺は、女遊びをするタイプじゃない。」

はっきりと告げられた言葉に、彼女たちの目が大きく見開かれる。

「ええっ⁉」

「それに――俺のパートナーを侮辱しないで貰いたい。」

静まり返る一瞬。やがて令嬢たちは言葉もなく顔を見合わせ、そのまま足早に会場の奥へと消えていった。

社長はゆっくりとカーテンを下ろすと、再び夜風の中に戻った。

「よかったんですか……」

恐る恐る尋ねると、彼はふっと笑う。

「いいんだ。俺が守りたいのは、遥香だから。」

胸が熱くなり、夜景が滲んで見えた。

「ふふふ。」

気づけば私は、こらえきれずに笑っていた。

「どうして笑う?」
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