社長、社内恋愛は禁止のはずですが
「よかったです。今まで、社長に想いを寄せても……振られた人ばかりでしたから。想いが叶う人がいて、本当に。」

その言葉に胸が熱くなる。

――やっぱり直哉さんは、私を特別に選んでくれたんだ。

「ありがとうございます。」

自然に頭を下げていた。

すると高森秘書は、ぱっと笑顔を輝かせて言った。

「頑張って下さい、遥香さん。応援しています。」

真っ直ぐな声に心が震えた。

敵意でも嫉妬でもなく、純粋に応援の気持ちを伝えてくれる人がいた。

私は胸の奥から勇気が湧いてくるのを感じながら、小さく頷いた。

――もう迷わない。直哉さんの隣に立てるように、全力で前に進もう。

社長室から戻ると、ちょうど西野部長が廊下を歩いてきた。

「どこに行ってたの? 会議、始まるわよ。」

「は、はいっ!」

慌てて立ち上がった私に、彼女の視線がすっと流れる。
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