社長、社内恋愛は禁止のはずですが
強い力に振り返った私は、顔が真っ赤に染まっていたと思う。

「その……水城にとって俺は……」

社長の瞳が、真剣に私を捕らえて離さない。

その視線に射抜かれ、胸が早鐘のように打ち鳴らされる。

今にも、隠してきた想いがこぼれ落ちそうだった。

「特別ってことか?」

ドキッと胸が鳴った。

私は目をぎゅっと瞑り、震えるほど強く頷いた。

次の瞬間、高峰社長の腕が私をそっと抱き寄せる。

温かな体温に包まれ、呼吸が浅くなる。

「思い出したよ。三年前って、盗作事件に巻き込まれた時のことか。」

「……はい。」

胸の鼓動は早鐘のようで、声が震える。

「俺が動いたのは、水城が泣いていたからだ。」

「えっ……」

思わず顔を上げる。

高峰社長の顔が近づき、低い声が落ちてくる。

「盗作した人間が泣くわけがない。これは逆なんじゃないかって思った。」
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