社長、社内恋愛は禁止のはずですが
「……見ていたんですか、泣いている私を。」

直哉の視線が、真っ直ぐに私を捕らえる。

「君の企画にGOサインを出したのは俺だ。君の仕事は真っ直ぐで、嘘がない。信じて当然だ。」

胸の奥が熱くなり、視界がにじむ。

尊敬していた人が、ここまで自分を見てくれていたなんて。

私は言葉を失い、ただ彼の腕の中で震えていた。

「君の企画は正しかった。それを俺は証明しただけだ。」

そう言って、高峰社長は私の腕から静かに手を離した。

「社長……」

名を呼ぶと、彼は穏やかに頷いた。

「これからも、頑張るんだぞ。」

その一言が、どうしようもなく嬉しかった。胸の奥に、あたたかい光が灯る。

気づけば私は思わず口にしていた。

「……私がピンチになったら、また救ってくれますか。」

直哉はふっと口元をゆるめ、クスクスと笑った。

「ああ、いいだろう。何度でも救ってやるよ。」
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