社長、社内恋愛は禁止のはずですが
「その上……西野部長にもバレました。」

ハンドルを握る直哉さんの眉がピクリと動いた。

「西野にも⁉」

さすがに、それは彼にとっても想定外だったらしい。

「何でも、会議中の直哉さんの視線で分かったとか。」

私が恐る恐る言うと、直哉さんは小さくため息をついた。

「……あいつ、やけに俺を見てると思ったら。」

その言い方に、思わず首を傾げる。

「直哉さん、西野部長と仲がいいんですか?」

信じられないような響きだったけれど、直哉さんは迷いなく頷いた。

「仲がいいっていうか……あいつは、俺がこの会社を立ち上げた時から一緒に来てくれたんだ。」

「えっ……創業メンバーなんですか?」

「そうだ。だから信頼はしている。だけど……余計な詮索までして欲しいとは思わないけどな。」

助手席で、胸がじんわり熱くなる。

直哉さんの“視線”に気づかれるほど、私は特別に見られていた――。
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