社長、社内恋愛は禁止のはずですが
「ん……」熱を帯びたキスに、全身がとろけていく。

「遥香だけなんだ。俺をこんなに乱すのは。」

その真っ直ぐな言葉に胸が震え、堪えきれずシートベルトを外した。

「嬉しい、直哉さん。」

そう言って彼の胸に飛び込むと、すぐに強く抱きしめられる。

大きな掌が私の頬を撫で、その瞳が熱を宿す。

「ここ……俺の住んでるマンションなんだ。」

指差された窓の向こうには、都会の夜景を背にそびえる高層マンション。

「今日は泊まって行って。」

静かに、しかし抗えない力強さで告げられる。

鼓動が速くなり、全身が熱くなる。

――今夜、私は完全にこの人のものになる。

「うん。」

頷いた瞬間、私達は車を降り、静かな夜のエントランスを抜けていった。

玄関のドアを開けると、そこには雑誌のモデルルームのような部屋が広がっていた。

洗練されていて無駄がない空間――けれど、それ以上に心を占めていたのは、ここが直哉さんの“生活の場所”だという事実だった。
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