社長、社内恋愛は禁止のはずですが
「弥生……」

思わず名前を呼んでしまう。

「いいことじゃない。女は恋すると変わるんだよ。だから自信持って。もっと胸を張っていいと思う。」

にっこりと笑う弥生の顔に、胸がじんわりと温かくなる。

誰にも言えない秘密を抱えて、不安になることもあった。

だけど、弥生の言葉で少し救われた気がした。

「ありがとう……」

小さく呟いた声は、きっと弥生に届いている。

そして私は、帰りに社長室へと足を運んだ。

もちろん、誰にも見られないように周囲を気にしながら。

「……失礼します。」

そっと扉を開けると、直哉さんが柔らかく微笑んでいた。

「ああ、よく来たね。」

手招きされて近づくと、一つの袋を差し出された。

「えっ?これは……」

「頑張っているご褒美。」
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