社長、社内恋愛は禁止のはずですが
つい口にすると、彼は柔らかく笑った。

「それがいいんだよ。遥香には、俺に甘えて欲しい。」

テーブルの下で、そっと繋がれた手。

温もりが広がって、もう料理が来る前からお腹がいっぱいになりそうだった。

テーブルに置かれたのは、あさりの香りが食欲をそそるボンゴレだった。

「うわっ!美味しそう!」

待ちきれずに口へ運ぶと、ぷりっとしたあさりの旨味が広がった。

「うーん、ぷりぷり!」

パスタはアルデンテで、ソースがしっかり絡んでいる。

「うん!最高!」思わず声が弾んだ。

すると、直哉さんが低く笑う。

「そんなに気に入ってくれるとは思わなかった。」

その笑顔だけで、心臓がバクバクする。

気づけば、口元にソースがついていたらしく――

「ほら、汚れてる。」

直哉さんの指が、私の唇の端をそっと拭った。
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