社長、社内恋愛は禁止のはずですが
「もう少し恋人でいたいんだ。」

耳元で囁かれる低い声が甘く響く。

社内では絶対に見せない表情。

私だけに向けられる優しさ。

こんなにも愛を注いでくれる人が、自分の隣にいるなんて——幸せで胸がいっぱいになった。

「何だか今日は、遥香を放したくないよ。」

そう囁くと、直哉さんは片手で私の肩を抱き寄せた。

ラウンジのざわめきも遠ざかり、彼の体温だけが鮮明に伝わってくる。

「直哉さん……」

名前を呼ぶと、視線が絡まり合う。

熱を帯びた瞳に射抜かれて、呼吸が浅くなる。

「俺、一人で家にいると無性に寂しい時がある。遥香がいてくれればって、いつも思うんだ。」

その言葉に胸が高鳴り、頬がかぁっと熱くなる。

御曹司で、仕事も成功している人なのに、そんな孤独を感じているなんて。
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