社長、社内恋愛は禁止のはずですが
すっと西野部長の隣に座り、グラスを掲げる。

「俺に付いてきてくれてありがとう。今でも、おまえは俺の誇りだ。」

静かな言葉に、場が一瞬しんとした。

西野部長はぐっと唇を噛み、そっと目元を拭った。

「……社長にそう言っていただけるなら、私はどこへ行っても頑張れます。」

その光景を見守りながら、胸の奥が熱くなった。

西野部長の誇りも、直哉さんの信頼も、しっかりと受け継いでいかなければ――そう強く思った。

翌日、新しい部長が企画部に入って来た。

「篠宮澄玲です。宜しくお願いします。」

その堂々とした声に、空気が一変した。

背筋の伸びた姿勢、切れ味ある眼差し。

才色兼備という言葉そのままの人だった。

しかも笑顔を見せれば、部下達が自然に引き込まれてしまいそうな温かさもある。
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