社長、社内恋愛は禁止のはずですが
はっきり言って、そんなに見つめられると困る。

隣で資料を覗き込んでいた南條も気づいたらしい。

「……もしかして水城、嫉妬されてる?」

「えっ!?」思わず声が裏返る。

「だって、ずっと社長がこっちを見てるぞ。」

「そ、そんなわけ……」

慌てて手を横に振った。

「あり得ない。」

言い切ったけれど、頬が熱くなるのを止められなかった。

しかも南條は、数少ない私の「実らない恋」を知っている人だった。

「おまえさ、社長のこと見過ぎなんじゃないのか?」

「いやいや、そんなことないよ。」

慌てて首を振る。

ちらりと南條が社長の方に目を向ける。

「やばい。俺を見る目、めっちゃ鋭い。」

「……え?」

胸がざわつく。

南條がさらに顔を寄せ、耳元で囁いた。

「もしかして、俺と水城が仲いいって疑ってるのかな。」

ドキン――心臓が強く打った。

まさか、本当に? 高峰社長がそんなことを。
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