社長、社内恋愛は禁止のはずですが
「お願いだから、遥香を陥れるようなことをするのは止めてくれ!」

直哉さんの声が、社長室の静寂を切り裂いた。

――直哉さんがここまで言うなんて。

胸が熱くなり、涙がこぼれそうになる。

私は確かに守られている、そう思えた瞬間だった。

私は思わず涙をこぼしてしまった。

「遥香。」

直哉さんが迷いなく私を抱き寄せる。

その腕は、篠宮部長の前だというのに少しのためらいもなかった。

「辛い思いをさせてごめん。」

耳元に落ちる声が、胸に深く染みていく。

「直哉さんのせいじゃありません。」

震える声でそう返すと、直哉さんがそっと私の涙を拭ってくれた。

その優しさに、また涙が溢れそうになる。

「……分かったわ。」

篠宮部長は、ゆっくりと立ち上がった。
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