社長、社内恋愛は禁止のはずですが
――その時だった。

自分のデスクに戻った途端、企画部の空気が妙にざわめいているのに気づいた。

皆がちらちらと私の方を見ては、すぐに目を逸らす。

不自然すぎる沈黙。

「……どうしたの?」

声を掛けると、誰も答えない。

ただ、気まずそうに書類をめくる音だけが広がる。

胸の奥に、嫌な予感が走った。

冷たい汗が、背筋を伝っていく。

そして、南條が険しい表情で私のデスクにやって来た。

「水城、来い。」

有無を言わせぬ声に、心臓が跳ね上がる。

足早に営業部の一角へ連れて行かれると、そこには重たい空気が漂っていた。

「……え?」と声を出す間もなく、南條の鋭い視線が私を射抜く。

「おまえ、社長と付き合っているのか。」

「えっ……」

頭が真っ白になる。

息を呑み、顔を上げると、南條の眉間に深い皺が刻まれていた。
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