社長、社内恋愛は禁止のはずですが
家に帰ると、直哉さんはハンガーにかけられたワイシャツを見て目を丸くした。

「……遥香がアイロン、掛けてくれたの?」

「うん。シワがないと気持ちよく着られるかなと思って。」

私が微笑むと、直哉さんはふっと優しい表情になり、手でそっと頭を撫でてくれた。

それからスーパーの袋を広げ、包んでいた和牛のステーキ肉を取り出す。

「おや、どうしたの?和牛のステーキだなんて贅沢だな。」

直哉さんが興味津々でキッチンに入ってきた。

「今日ね、特売日だったの。直哉さん、私の分まで新プロジェクト頑張ってくれているから……お礼にしたくて。」

そう言うと直哉さんは、私をぎゅっと抱きしめてくれた。

「ありがとう、遥香。」

その声に胸がじんわりと熱くなる。

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