社長、社内恋愛は禁止のはずですが
「なあ、遥香。」彼の腕の中で低く響く声に、胸が高鳴った。

「今度の日曜日、俺の誕生日なんだ。」

「えっ⁉」

驚いて顔を上げる。

それって……もう明後日じゃん!

「どこか美味しい物、食べに行こうか。」

さりげなく言う直哉さんの笑顔が、余計に心臓を鳴らす。

「うん、行こう行こう!ちゃんとお祝いするから!」

返事をした途端、頭の中は真っ白になった。

誕生日。年に一度のビッグイベント。

私にとっては特別な彼の、たった一度の大切な日。

プレゼントは?レストランは?予約取れるかな?

やばい、時間が足りない。頭の中で次々と予定が駆け巡る。

「……なんか、ウキウキしてない?」

直哉さんにじっと見つめられて、はっと我に返った。

「そ、そんなことないですよ!」

誤魔化しながらも、頬が赤くなる。

大好きな人の誕生日を祝えるなんて、こんなに幸せなことはない。

私の胸は期待と不安で、もういっぱいになっていた。
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