社長、社内恋愛は禁止のはずですが
翌日、私は必死に美味しいレストランを探した。

電話をかけまくり、ようやく人気のフレンチレストランの予約が取れた。

一人一万円。私にとっては大きな出費だったけど、大好きな直哉さんの誕生日なら迷わない。

むしろ「これくらいじゃ足りないかも」と思えるくらい。

「そうだ!プレゼント!」

レストランの確認でほっと一息ついた瞬間、胸の奥から願いが湧き上がった。

ずっと夢だったのだ。

好きな人に時計を贈りたいって。恋人が毎日身に着けてくれるものを選びたいって。

私は街中を歩き回り、ついに時計屋の前に立った。

ショーウィンドウに並ぶ腕時計がキラキラと光っていて、見ているだけで胸が高鳴る。

店内に入ると、上品な笑顔の店員さんがすぐに近づいてきた。

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