社長、社内恋愛は禁止のはずですが
「でも……その恋人が、御曹司なんです。だから、高級な腕時計でなければ、普段つけてくれないような気がして。」

打ち明けると、店員さんは真剣に頷いた。

「本当に恋人さんを大切に思っていらっしゃるんですね。」

「そうですかね……」

照れながらも心臓が高鳴る。

「大半の方は、ご自分の予算内で買える物を選ぶんですよ。でも、お客様は本当にお相手のことを想ってらっしゃるんですね。」

店員さんの言葉に、胸がくすぐったくなる。

自分の気持ちを見透かされているようで、少し照れくさかった。

「恋人さんは、普段は何をされているんですか?」

直哉さんの姿を思い浮かべて、私は答える。

「高級時計ですね……ロレックスですかね。」

「はい。やはり御曹司の方ならお持ちでしょう。間違いないブランドですから。」
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