社長、社内恋愛は禁止のはずですが
「きゃああ!」私は顔を覆った。

バレた……明日、誕生日に渡すつもりだったのに。

「……遥香、何を買ったんだ。ロレックスなんて、おまえの給料じゃ無理だろ。」

ガーン……。

頭の上から重たい鉄球でも落ちてきたような衝撃。

心臓がズキズキ痛む。

「えっ、いや……」

声が震える。

「まさか、店員に勧められたのか?それとも見栄で?」

直哉さんの言葉は鋭く、涙が込み上げてきた。

「違う……っ」

必死に首を振る。

「私……直哉さんに喜んでほしかっただけ。」

「まさか、俺に⁉」

直哉さんの目が大きく見開かれた。

「明日の誕生日にと思って……」

声が震え、頬を涙がつっと伝う。

「でも、誕生日プレゼントなら、何も高級時計じゃなくても……」

私は首を横に振った。

「夢だったの。好きな人に時計を贈るのが。」
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