社長、社内恋愛は禁止のはずですが
その瞬間、直哉さんの腕が私をそっと抱き寄せた。

胸に頬が触れて、じんわりと温かさが広がる。

「……嬉しい。ありがとう、遥香。」

耳元で低く囁かれ、心臓が跳ねた。

顔を上げると、ちょっと照れている直哉さんの笑顔。

あの完璧な御曹司が、まるで少年みたいに照れている。

そんな姿を私だけが見られるなんて。

「今、開けてもいい?」と尋ねる彼の瞳は子どものように輝いていた。

「うん……」

頷いた私の声はかすれていたけれど、間違いなく心からの答えだった。

袋から箱を取り出し、ゆっくりと蓋を開けた直哉さんは、ふっと笑みを浮かべた。

「これ、遥香が選んだの?」

「ええっと……」

私は言葉を詰まらせる。すると直哉さんがニコニコと頷いた。

「実は、店員さんおすすめで。」

「そうだと思った。」
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