社長、社内恋愛は禁止のはずですが
そして翌日。私は直哉さんから贈られたバッグと香水、そしてお揃いの時計を身にまとった。

服も彼に似合うように淡いピンクを選んだ。

待ち合わせ場所に着いた途端、二、三人の男性に声を掛けられる。

「お姉さん、一人?」

「いえ。」

即座に断った瞬間、背後から鋭い声が響いた。

「どいつもこいつも、俺の遥香に声掛けやがって。」

振り返れば、直哉さんが後ろにいた。

眉間に皺を寄せて、あからさまに怒っている。

その真剣さが可笑しくて、思わず吹き出してしまう。

「直哉さん……もう、嫉妬深すぎです。」

「当たり前だろ。遥香は俺の恋人なんだから。」

ぐいっと手を取られ、腕を絡められる。

周囲の視線なんて気にしないとばかりに、独占欲を隠そうとしない態度に胸が熱くなる。

「ふふ……直哉さん、ありがとうございます。」

「ありがとうじゃない。最初から俺だけを見ていろ。」

甘く厳しい言葉に、私は素直に頷いた。

こんなふうに大切にされている実感が、何よりも幸せだった。
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