社長、社内恋愛は禁止のはずですが
「恥ずかしいって言って、一緒に暮らしてから一度も入ったことないじゃん。」

ちょっと拗ねた声が子供みたいで、思わず笑ってしまう。

「誕生日だから、一緒にいて。」

潤んだ瞳で真剣に言われたら、もう断れるはずがなかった。

「……仕方ないな。」

そう答えると、直哉さんは嬉しそうに立ち上がり、バスルームへ向かう。

「遥香と一緒のお風呂!」

まるで少年のように弾んだ声。胸が温かくなる。

やがてお湯が満ち、私がバスルームに入ると、直哉さんが待っていた。

「こっちにおいで。」

優しく抱き寄せられ、背中のファスナーを下ろされる。

布が床に落ち、素肌に触れた瞬間、熱が走った。

「やっぱり綺麗だ……」

肩口に落ちるキスに、体が小さく震える。

「直哉さん……」

声が甘く滲んだ。

彼はそのまま私を抱き上げ、湯船へとそっと下ろす。
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