社長、社内恋愛は禁止のはずですが
湯気の中、向かい合って座ると、彼の瞳が真剣に私を射抜いた。

「誕生日に一番欲しかったのは、遥香と過ごすこの時間なんだ。」

胸がいっぱいになり、私は彼の首に腕を回してキスを重ねた。

湯船から上がると、私はタオルで軽く体を拭き、シャワーに切り替えた。

「直哉さん、背中洗いますね。」

泡立てたボディウォッシュを手に取り、彼の広い背中にそっと滑らせる。

きめ細やかな泡が筋肉の曲線をなぞるたび、指先に力強さが伝わってきて、思わず見とれてしまった。

「直哉さんの体、素敵……」

感嘆の声が自然と漏れる。

「そうか?鍛えているからかな。」

恥ずかしそうに笑う横顔が、また胸を熱くする。

今度は彼がボディウォッシュを手に取り、私の背中に優しく泡をのせてくれた。

「くすぐったい……」
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