社長、社内恋愛は禁止のはずですが
その一言で胸がいっぱいになった。

ここまで支えてくれた直哉さんに、私の方こそ感謝したいのに。

「私の方こそ……直哉さんの隣にいられて、本当に幸せでした。」

小さくそう答えると、直哉さんは一度だけ息を吐き、ふっと笑みを浮かべた。

「いや、違うんだ。今日で『恋人』は終わりにしたい。」

「えっ……」

突然の言葉に、胸の奥がズキリと痛む。

恋人を終わりにする……?頭の中が真っ白になった。

直哉さんはナプキンを外すと、椅子から立ち上がった。

その大きな手が、テーブル越しに私の手を握りしめる。

「俺はもう、恋人っていう枠じゃ満足できない。遥香をただの彼女として隣に置いておくだけなんて、俺には耐えられないんだ。」

「直哉さん……」

「これからは――俺の婚約者として、俺の人生を共に歩んでほしい。」

静まり返った空間に、その言葉が鮮やかに響き渡る。
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