社長、社内恋愛は禁止のはずですが
低い声が耳元に落ちて、思わず目を閉じた。息が触れる距離で「本気」と言われるだけで、心も体も熱くなる。

「信じています。だから――私も、これから先ずっと直哉さんの側にいます。」

その答えに、直哉さんの腕の力が強くなった。

胸に押しつけられた鼓動が速い。

きっと私と同じように、高鳴っているんだ。

「婚約者になったからには、遠慮しない。今夜は――俺の全てで遥香を愛する。」

そう告げると、彼は私の頬にキスを落とした。

唇の端から顎、首筋へ。たったそれだけなのに、体が痺れるように熱を帯びていく。

「……直哉さん。」

甘く名前を呼んだ途端、彼は私の手を取り、ベッドの方へと導いた。

シーツの白さが、これからの夜を祝福しているみたいに眩しかった。
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