社長、社内恋愛は禁止のはずですが
ベッドの端に腰を下ろした途端、直哉さんの影が覆いかぶさってきた。

深い瞳が私を捕らえ、逃げられない。

「遥香……婚約者になったんだ。もう恋人ごっこじゃない。」

低く甘い声が耳を震わせる。

次の瞬間、唇が重なった。最初は柔らかく、けれどすぐに深く貪るように。

舌が絡んで、熱が流れ込んでくる。

息が苦しいほどのキスなのに、もっと欲しいと心が叫んでいた。

「ん……ふぁ……直哉さん……」

名前を呼ぶと、さらに激しく唇を奪われる。

背中に回された手が、肌を透かすように撫で上げて、全身に鳥肌が立った。

「こんなに震えて……まだ俺を欲しがってくれる?」

頬を撫でられながら問われて、胸がいっぱいになる。

私はただ、強く頷いた。言葉にしたら涙がこぼれそうで。

彼の指先が鎖骨から胸元へとすべり落ちる。
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