社長、社内恋愛は禁止のはずですが
「……はい。私も、ずっと直哉さんの隣にいます。」

静かな部屋に、波のように重なる鼓動と呼吸だけが響いた。

私はその温もりに包まれながら、心の底からの安らぎを感じていた。

もう迷うことはない。この人となら、どんな未来でも歩いていける。

まぶたが自然に閉じていく。最後にもう一度、彼の唇が私の額に落ちるのを感じた。

「おやすみ、遥香。」

甘い囁きに微笑みながら、私は幸せな眠りへと落ちていった。

そして月日が流れ―――。

あの日、直哉さんに「婚約者だ」と告げられてから、私たちは確かに少しずつ未来を形にしてきた。

新プロジェクトの成功、二人での暮らし、幾度も交わした情熱と愛情。

そして今日、ついにその集大成を迎える。

――結婚式。
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