社長、社内恋愛は禁止のはずですが
社内の空気がざわめく中、社長の表情は一切揺れなかった。

「彼女はまだ主任になって日が浅い。結果も出していない。」

即座に返されたその言葉に、私の胸はぎゅっと締めつけられる。

――社長は、本当に私を信じてくれているのだろうか。

「できなければ、水城さんと同じ課長代理でも構いません。」

西野部長の声が重く響く。

高峰社長は足を組み、視線を鋭くした。

「……どうしてそこまで岸本を推す?」

「逆です。」

西野部長は一歩も引かない。

「どうしてそこまで社長が水城さんを推すのか、私には分かりません。」

ふたりの視線が火花を散らすようにぶつかる。

「岸本だって、主任になってから……いえ、主任になる前から実績を出してきました。」
< 36 / 273 >

この作品をシェア

pagetop