社長、社内恋愛は禁止のはずですが
思わず私は声を上げていた。

「では、西野部長は社長の直轄案件をどう思われるんですか?」

「え?」

西野部長が驚いた顔をする。

「私は……正直、お話を伺って、挑戦してみたいと思いました。」

視線をまっすぐに社長へ向ける。

「社長と一緒に、このプロジェクトをやってみたいんです。」

心臓が跳ねる。けれど逃げなかった。

「でも、今の案件すべてを抱えたままでは、十分に力になれないと思います。……けれど、今持っている案件も、最後まで責任を持ちたいです。」

はっきりと口にしたその瞬間、室内の空気が一変した。

私はただの平社員じゃない――自分の言葉で証明したかった。

「水城。」

西野部長の声は冷たく、背筋にぞくりとしたものが走った。

「誤解しているようだけど、全案件の責任は私にあるの。あなたじゃない。」
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