社長、社内恋愛は禁止のはずですが
「すごいじゃん。社長案件のプロジェクトリーダーなんて。」

笑顔で肩を軽く叩かれ、思わず力が抜ける。

「ありがと……でも、まだ始まったばかりだから。」

そう言いながらも、胸の鼓動は収まらなかった。

――社長に選ばれた。その事実が、どうしようもなく嬉しかった。

「でも、俺の案件は誰にやってもらおうかな……」

南條が困った顔で頭をかいた。

「ああ、それは私がやるから。」

「えっ? 本当?」

驚いたように顔を上げた南條の目が、まっすぐこちらを射抜いてくる。

「これだけは……南條の想いがこもってるっていうか。他の人には渡せないって思うの。」

言葉にすると、同期として積み上げてきた信頼が胸にじんわり広がった。

「さすが水城!」

感激したように南條が私の手を握る。

その温もりに、私は小さく息を吐いた。
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