社長、社内恋愛は禁止のはずですが
「……また高峰社長に睨まれるよ。」

冗談めかして口にすると、南條も「本当だ」と笑って、そっと手を放した。

けれど――その瞬間。

サッと横を向いた南條の動きに導かれるように顔を上げると、視線の先に高峰社長がいた。

フロアの奥から、じっと、鋭い目で私を見ている。

ああ……やっぱり。誤解している。

胸がざわめき、鼓動が速まっていく。

すると高峰社長が、デスクの奥から手招きをした。

「はい……」

緊張しながら近づくと、社長は書類から顔を上げ、真っ直ぐに私を見つめてきた。

「あのさ。南條とどういう関係?」

「いっ⁉」

思わず声が裏返る。心臓が跳ね、足元がふらつきそうだった。

「……ただならぬ関係なのか?」

「違います!」

必死に首を振る。そんな誤解だけはされたくなかった。
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